結論
人口が減り、事業所の従業者数が増えた市町は7つあった。29市町全体では両者の変化率に正の関連が見られるが、すべての市町で同じ動きになるわけではない。この分析は関連を探す比較であり、人口変化が従業者変化を引き起こしたことを証明しない。
何を比較したか
| 指標 | 対象日 | 範囲 |
|---|---|---|
| 推計人口 | 2016年・2021年の各10月1日 | 市町に住む人の人口 |
| 事業所数・従業者数 | 2016年・2021年の各6月1日 | 経済センサス活動調査、公務を除く |
三重県の市町(村)累年統計表22、49、51を使い、市町名の完全一致で29市町を結合した。県計行は市町間の相関計算に含めない。変化率は (2021年値 / 2016年値 − 1) × 100。先に割合を丸めず、計算後に表示だけ丸めている。
人口減少と従業者増加が重なった7市町
| 市町 | 人口変化率 | 従業者変化率 |
|---|---|---|
| 木曽岬町 | -6.66% | +5.84% |
| 伊賀市 | -2.64% | +1.57% |
| いなべ市 | -2.34% | +0.68% |
| 津市 | -2.12% | +0.47% |
| 鈴鹿市 | -1.11% | +0.11% |
| 明和町 | -0.96% | +4.35% |
| 亀山市 | -0.77% | +1.12% |
人口は住民側、従業者は事業所側の人数であり、同じ人々を追跡しているわけではない。市町をまたぐ通勤は両者が違う動きをする可能性の一つだが、今回の表から通勤変化や個別事業所の変化を特定したものではない。これを「住民の雇用が改善した7市町」と言い換えることはできない。
県全体の値
人口は1,807,611人から1,755,415人へ、事業所数は77,168から72,261へ、従業者数は801,130人から798,103人へ変化した。29市町の合計を原表の県計と照合した。事業所数と従業者数の動きが異なっていても、それだけで企業統合や省人化の進行は判定できない。
相関で分かったこと、分からないこと
| 変化率の組合せ | Pearson相関 | Spearman順位相関 |
|---|---|---|
| 人口と事業所数 | 0.609 | 0.521 |
| 人口と従業者数 | 0.814 | 0.856 |
相関係数は、同じ方向へ動く傾向の強さを示す。原因の強さや政策の効果を示す数値ではない。各市町を等しく1単位として扱い、人口規模による重みづけはしていない。
人口変化率が平均から最も離れていた南伊勢町を除いた28市町でも再計算した。人口と従業者のPearson相関は0.834、Spearman相関は0.858。人口と事業所では0.613、0.495だった。この1市町だけで関連が生じているわけではないが、あらゆる外れ値や集計方法への頑健性を保証する検査ではない。
解釈の限界と未確認
- 人口は10月、経済センサスは6月。同年でも観測日は4か月違う。
- 表22の83行目の注記で「その時点での推計人口であり、国勢調査実施後の補間補正は行なっていない」と確認した。無補正であることは既知であり、未確認ではない。 2016年→2021年は国勢調査による基準更新をまたぐため、ここで計算した変化率を自然増減(出生・死亡)と社会増減(転入・転出)だけによる実際の人口変化とは解釈できない。基準更新が各市町の変化率や相関に与える影響量は未確認である。
- 年齢構成、業種構成、通勤、地域区分などを調整していない。個人についての結論、将来予測、政策評価には使えない。
- 同じ活動調査の年を選んだが、回答状況や詳細な集計変更の影響までは検証していない。
- 原資料ファイルは当サイトでは再配布せず、公式原表へのリンクを示す。
- 本稿は2026年11月2日に原表を取得した歴史比較。最新年の雇用状況を説明する記事ではない。
再現と出典
原表は三重県の公式リンクから確認できます。検算資料は編集部で保存し、原表ファイルをここでは再配布しません。