板書計画の書き方
小学校の板書計画の書き方(実際の指導案の例つき)
板書計画は、授業のあいだに黒板のどこへ何を書くかを、授業の前に決めておく計画です。このページでは、みえ先生ラボで無料公開している指導案の板書計画を実例にして、何を書く欄か、置き場所をどう決めるか、を紹介します。実例の文は、元データと各単元ページに載せている板書計画から、そのまま引用しています。
板書計画があるのは、小学校の国語572・算数173・理科142・社会97、合わせて984単元のすべてです(単元数は公開しているページを数えた値です)。どの単元にも、学習指導案、授業の設計図、検討会の想定問答、学級に合わせて直すプロンプトの4種類のPDFがあります。
先に確認してください:この指導案の位置付け
みえ先生ラボの指導案は、AIで作成した叩き台です。教科書会社・文部科学省の公式指導案ではなく、授業実践による検証も未実施です(このサイトについて)。単元計画と、その中から選んだ本時の展開を載せており、全授業時の細案ではありません。
このページに引用する文は書き方の例です。そのまま提出する見本ではありません。学校の書式、年間指導計画、学級の実態に合わせて直してください。
1 板書計画に書くこと
何を書く欄か
黒板のどこに、何を、どの順で書くかを書きます。本時の問いやめあて、子どもの考え、まとめと振り返りを、どこに置くかを先に決めておく欄です。みえ先生ラボの指導案では、本時の目標、学習過程と並べて「本時の指導」に置いています。
板書の書式について、今回確認した国立教育政策研究所の参考資料(国語・算数・理科・社会)の本文には、板書計画の書き方を定めた記述は見つかりませんでした(出典1〜4)。板書は、算数・理科・社会の事例の中で、授業の工夫の一つとして触れられています。第4章で紹介します。
みえ先生ラボの指導案ではこう書いている
板書計画の文に、問いやめあて、まとめ、振り返りの置き場所が出てくる単元を、教科ごとに数えました。書いてあるかどうかを数えたもので、書いていない単元でも、授業ではその内容を扱っている場合があります。
| 教科 | 単元数 | 「問い」「めあて」 | 「まとめ」 | 「振り返り」 |
|---|---|---|---|---|
| 国語 | 572 | 572 | 209 | 36 |
| 算数 | 173 | 173 | 171 | 29 |
| 理科 | 142 | 142 | 59 | 0 |
| 社会 | 97 | 97 | 34 | 0 |
2 置き場所の型
置き場所の型は、教科によって違います。みえ先生ラボの指導案では、次のように書き分けています。
- 国語:572単元のうち550単元の板書計画が「縦書き」と書き、569単元に「右端」の置き場所が出てきます。右端に題名と本時の問いを置き、左へ向かって並べる書き方です。
- 算数:173単元のうち169単元が「上段」から書き始め、上から下へ並べます。たとえば、上段にめあて、中段に子どもの考え、下段にまとめと振り返りを置きます。
- 理科・社会:理科142単元のうち83単元、社会97単元のうち63単元は、左側に予想とその理由、中央に調べた事実の記録、右側に事実から考えた説明を置く型で書いています。
3 教科別の実例
板書計画の全文を、教科ごとに引用します。見出しの単元ページから、学習指導案や授業の設計図のPDFも開けます。
国語 4年「ごんぎつね」(読むこと)
右端に日付・題名・本時の問い。その左に前時までの気持ちの変化の表(場面1〜6を右から左へ並べ、ごんと兵十の二段に分ける。場面6の欄は空けておく)。中央に場面6の兵十の行動を時間の順に右から左へ矢印でつなぎ、その下に気持ちの変化(憎い→気付く→後悔)。その左にごんの行動と気持ち。左側に子どもの考え(うれしい・悲しい・両方)と根拠の叙述の番号。左端にまとめの文の型と振り返りの観点二つ。
引用元:4年国語「ごんぎつね(新美南吉)/言葉を分類しよう」 の「指導案の内容」の「板書計画」
右端に本時の問いを置き、その左に前の時間までの気持ちの変化の表を並べる縦書きの構成です。本時に読む場面6の欄は、空けておく計画になっています。
算数 3年「かけ算の筆算」
上段左:日付、問題の場面と式(23×3)、答えの見当「20×3=60より少し大きい」。
上段右:前の時間の10のまとまりの図と「20×3=60」。
中段:めあて「2けたの数に1けたの数をかける計算のしかたを、九九や何十のかけ算を使って考えよう」。その下に子どもの考え②(10と10と3)、①(20と3)、③(10円玉と1円玉)の図と式を、図を上・式を下にして左から並べ、考えた子の名前を添える。どの図でも「20×3の部分」を赤、「3×3の部分」を青で囲む。④のたし算の式は右端に置く。
下段:考えの同じところ「何十といくつに分けている」「九九が使える」。まとめ。振り返りの3つの文型。
引用元:3年算数「大きい数のかけ算のしかたを考えよう」 の「指導案の内容」の「板書計画」
上段に問題と答えの見当、中段にめあてと子どもの考え、下段に考えの同じところとまとめを置きます。考えた子の名前を添え、同じ部分を同じ色で囲んでそろえる書き方です。
算数 6年「拡大図と縮図」
上段:めあて「対応する辺の比と角を使って形が同じ条件を捉える」。
左:見た目が似た図を重ねずに調べ、拡大図といえる根拠を示す場面の図。既知の量と求める量を区別して示す。
中央:児童の操作・図・式を対応させ、根拠となった部分を同じ印で結ぶ。
右:「面積の比を辺の比として使う、基準の頂点をそろえず対応を取り違える」という考えと、確かめ直した結果を比較する。
下段:まとめ「対応する辺の長さの比が等しく対応する角の大きさが等しいことを確かめると、同じ形の拡大縮小を判断できる」。初めの考えから何を直したかを記す。
引用元:6年算数「形が同じで大きさがちがう図形を調べよう」 の「指導案の内容」の「板書計画」
上段にめあて、その下を左・中央・右に分けています。右の欄には、起こりそうな考えと、確かめ直した結果を並べて比べる計画です。
理科 5年「電流と電磁石」
上段に「電流と電磁石」と本時の問い「電磁石の強さに関係する条件を、どうすれば確かめられるだろうか」。左側に予想とその理由、中央に実際に調べた事実の記録、右側に事実から考えた説明を置く。中央は条件・時期・対象が分かる見出しにし、比較する記録を同じ高さに並べる。変える条件を絞った計画を立てる際に用いた記録を残し、根拠と説明を線で結ぶ。下段には確かめられたことと、まだ残る問いを分けて置く。発言の多い子の説明だけで仕上げず、個人の記録の違いを残す。
引用元:5年理科「電流と電磁石」 の「指導案の内容」の「板書計画」
上段に本時の問い、下段に「確かめられたこと」と「まだ残る問い」を分けて置きます。板書計画の最後に、個人の記録の違いを残す、という一文も書き添えています。
社会 5年「自動車の生産にはげむ人々」
上段に「自動車の生産にはげむ人々」と本時の問い「多くの部品から自動車をつくるため、工場同士はどう協力しているだろうか」。左側に予想とその理由、中央に実際に調べた事実の記録、右側に事実から考えた説明を置く。中央は条件・時期・対象が分かる見出しにし、比較する記録を同じ高さに並べる。品質と生産を支える人々の工夫を関係付ける際に用いた記録を残し、根拠と説明を線で結ぶ。下段には確かめられたことと、まだ残る問いを分けて置く。発言の多い子の説明だけで仕上げず、個人の記録の違いを残す。
引用元:5年社会「自動車の生産にはげむ人々」 の「指導案の内容」の「板書計画」
理科と同じ型です。中央の欄は条件・時期・対象が分かる見出しにして、比較する記録を同じ高さに並べます。
4 公的な資料にある板書の例
国立教育政策研究所の「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料には、事例の中で板書が出てきます。内容を言い換えて紹介します。頁数は各資料内のページ番号です。
- 算数編(出典1、77頁):全体の話合いで、子どもの考えや意見を子どもの名前とともに板書すると、誰の発言で考えが進んだり深まったりしたかを、振り返りのときに価値付けできるとしています。この板書を写真に撮って記録しておけば、評価の資料としても使えるとも書いています。
- 算数編(出典1、80頁):統計の学習で、問題、計画、データを集める、分析する、という流れを、板書で示しておく例があります。
- 理科編(出典2、66頁):前の時間に子どもが考えた結果の見通しを黒板に示し、自分の番号カードを貼る例です。自分の考えの変わり方を確かめることと、他の子の考えと比べることをねらっています。
- 社会編(出典3、66頁):子どもが出した疑問を分類・整理して板書し、問題意識の傾向をつかんで学習問題をつくった例です。
どの例も、板書を、子どもの考えや調べたことを見えるようにする場所として使っています。算数編77頁の例は、評価の資料にも使っています。第3章の置き場所と見比べると、書く位置を決める手がかりになります。
5 板書計画を作る順番
第3章の実例に共通する作り方を、順番にまとめます。公的な資料が定めた手順ではなく、みえ先生ラボの指導案を見て整理したものです。
- 本時の目標を確かめ、授業の終わりに黒板を見て何が分かればよいかを決める。
- 本時の問いやめあてを置く場所を決める(国語は右端、算数・理科・社会は上段)。
- 子どもの考えや調べた事実を置く場所を決める。向きと順を決め、比べたい記録は同じ高さに並べる。
- まとめと振り返りの欄を、先に空けておく。国語「ごんぎつね」は、本時に読む場面の欄を空けておく計画です。
- 授業のあとに残す記録を決める。算数では考えた子の名前を添え、理科・社会では個人の記録の違いを残します。
実例を無料でダウンロード
この記事で引用した5つの単元の学習指導案は、登録なしで、透かし入りPDFを無料でダウンロードできます。板書計画は、PDFの「6 本時の指導」に載っています。
| 学年 | 教科 | 単元ページ | ダウンロード |
|---|---|---|---|
| 4年生 | 国語 | ごんぎつね(新美南吉)/言葉を分類しよう | 学習指導案PDF(5ページ) |
| 3年生 | 算数 | 大きい数のかけ算のしかたを考えよう | 学習指導案PDF(5ページ) |
| 6年生 | 算数 | 形が同じで大きさがちがう図形を調べよう | 学習指導案PDF(4ページ) |
| 5年生 | 理科 | 電流と電磁石 | 学習指導案PDF(4ページ) |
| 5年生 | 社会 | 自動車の生産にはげむ人々 | 学習指導案PDF(4ページ) |
ほかの学年・教科の指導案は、下の「学年・教科から探す」から選べます。項目ごとの書き方は小学校の学習指導案の書き方にあります。
よくある質問
板書計画に決まった書式はありますか。
今回確認した国立教育政策研究所の参考資料(国語・算数・理科・社会)の本文には、板書計画の書式を定めた記述は見つかりませんでした。学校や研究会で書式が決まっている場合は、それに従ってください。みえ先生ラボのPDFは、黒板のどこに何を置くかを位置を示して文章で書く形にしています。
板書計画は指導案のどこに書きますか。
みえ先生ラボの学習指導案PDFでは、「6 本時の指導」の中に、本時の目標、学習過程と並べて板書計画を置いています。
国語の板書は縦書きで計画しますか。
みえ先生ラボの国語の指導案では、572単元のうち550単元の板書計画が「縦書き」と書いています。縦書きにするかどうかは、学校や学級の実態に合わせて決めてください。
板書を評価の資料にできますか。
国立教育政策研究所の算数編に、板書を写真に撮って記録しておくと、評価の資料としても使えるとの記述があります(算数編77頁)。評価規準の作り方は、別のページ「小学校の評価規準の書き方」にまとめています。
板書計画の例は無料で見られますか。
はい。各単元のページに板書計画の全文を載せています。学習指導案のPDFも、登録なしで、透かし入りのものを無料でダウンロードできます。
AIで作った板書計画をそのまま授業で使えますか。
そのまま使うことは勧めていません。みえ先生ラボの板書計画はAIで作成した叩き台で、授業実践による検証は未実施です。教科書、学校の年間指導計画、学級の実態と照らして、先生が確かめて直してください。
出典
一般的な説明は、次の公的な資料に基づきます。引用した実例の文は、みえ先生ラボの元データと単元ページのものです。
- 国立教育政策研究所 教育課程研究センター『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料 小学校 算数』(2020年、PDF)。77頁、80頁。
https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/hyouka/r020326_pri_sansu.pdf - 同 小学校 理科(PDF)。66頁。
https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/hyouka/r020326_pri_rika.pdf - 同 小学校 社会(PDF)。66頁。
https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/hyouka/r020326_pri_shakai.pdf - 同 小学校 国語(PDF)。板書の書式にあたる記述がないかを、文字を取り出せるページで確かめました。
https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/hyouka/r020326_pri_kokugo.pdf - 国立教育政策研究所 指導資料・事例集(上の資料の一覧ページ)。
https://www.nier.go.jp/kaihatsu/shidousiryou.html
あわせて読む
- 小学校の学習指導案の書き方(項目ごとの例つき):板書計画を含む、指導案の全項目の書き方。
- 小学校の評価規準の書き方:板書に残した記録を、評価にどうつなげるか。
